オーラの目に熱いものがたまる。 その時、ふわっと誰かがオーラを抱きしめた。 「オーラは私達を傷つけたりしない。 ようするに、その能力をうまく使えるようになればいいんでしょ?」 「ルーチェ・・・ だけど、俺は無意識だったんだよ」 「だから、操られてたとかじゃないの」 「いや・・・・ あれはきっと、俺自身がやった事だ。 記憶だって、ちゃんとあるしな だから俺は」 「それで離れちゃうって言うなら、オーラはバカだよ」 「なんだよ・・・ルーチェに言われたくない」 力なく返すオーラに、ルーチェはしっかりと抱きつく。 「ばかっ オーラのばか! 私はオーラと別れるなんて嫌だよ! ずっと、ずっと一緒だったのに・・・簡単に離れるなんて言わないで」 いつの間にか、ルーチェは涙を流していた。 オーラの膝に珠の雫が落ちる。 「俺だって、かんたんにじゃない。 ちゃんと・・・考えてるんだ」 オーラの体がふるえている。 痛いくらいにしがみつくルーチェの肩をたたいたのは、マルボだった。 隣にはデゾピーノがいる。 一体いつからいたのか、急にふっと現れたように思われた。 「一緒にいたほうがいいよ。 君は・・・弱い。 まだ皆に守られていないと。 それに、その力はできるだけ封じられるようにしてるから」 優しい声で言ったマルボに皆驚く。 得たいの知れない男に肩を叩かれたルーチェの涙はひっこんでいた。 「マルボ、デゾピーノ。 どういうことだ?」 ルイが言う。 リリはドリュが浮かない表情をしているのを見つめる。 「そこはおいといて。 とにかく、オーラは離れちゃダメだ」 デゾピーノがにかっと歯を見せて笑った。 「マルボ、デゾピーノ・・・・顔が変わってる?」 オーラが首をかしげた。 「ああ、オーラ。 お前騙されてたんだよ。 こいつら、いとこだから・・・」 「ええ!? じゃあ、あれって魔法で似せてたのかよ」 「そういうこと」 話が変わった事に喜んでいる二人は声を合わせる。 ルイはその事に気づいてはいたが、あえてつっこむことはしなかった。 まだ話す時じゃないんだろう・・・そう考えた。 マルボがオーラの相手をしはじめるデゾピーノがルイに親指をつきたてた。 ルイはにっと笑うと、人差し指を口に当てる。 昔使っていた、三人だけの合図だ。 親指をつきたてると「お前にだけ話す」となり、人差し指を口にあてると「了解、秘密は守る」となる。 「へー、凄いな、マルボって」 「いやいや、そんなことないよ」 マルボがにこにこと笑っている。 一体何を話したんだろうか。 「マルボ、行こうぜ」 「おう。 じゃあな、オーラ」 ひらひらと手を振ると、二人は船内へと戻っていった。 オーラは二人が去ると、ルイに近づいた。 「もう離れるなんていったらダメだ。 あの二人のいう事は聞いたほうがいい。 まだ素人なんだから、守られてろ。 剣術のことなら、俺が教えられる」 「剣術を教えてくれるのは嬉しいけど・・・お前らを傷つけたく、ない」 ルイはそう言ったオーラの額を小突いた。 「まだまだ隙がありまくりなんだ。 死にたいのか? それにあの二人が、お前の力を封じてるって言っただろ」 「オーラ、私はあの二人を知らないけど、嘘は言っていない気がするわ」 リリが言った。 次に、シャールがにっこりと笑って言う。 「離れるって次にいったら、歌うわよ。 かなり頭が痛くなるようにするから」 「それは嫌だな・・・・・ 俺、いても・・・いいのか?」 「当たり前だよ! オーラは、私が守ったげるから」 ルーチェが胸を張る。 「お前は俺に守られる側だから。 ・・・ありがとう、一緒にいさせてくれて」 「オーラ、鳥は戻ってきました。 少なくともここにいる私達や・・・鳥たちはあなたを怖がってないわ。 自然の動物は、そういう力に敏感なのに、よ」 にっこりというハルに、オーラは心底嬉しかった。 |
追記: 緑のノート、終了しました。
めいかに交代でお願いします。 スポンサーサイト
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Author:EIN ROMAN
・ルイ担当 紅(べに)
・ルーチェ担当 ダーク
・ハル担当 ショコラ
・アマリリス担当 灰璃(カイリ)
・レイン担当 うさ
・シャール担当 めいか
この6人で執筆しています。